第44回 読書会『万葉集』

令和元年5月26日、5月とは思えない真夏日となった日の午前、豊橋市民センターカリオンビルにて読み人倶楽部の読書会を開催。令和初となる今回の読書会は「令和」の出典元となった万葉集を取り上げることとし、 「万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 」を課題本としました。

まず万葉集について、 現存する最古の和歌集であること。相聞と挽歌があって、人を愛する歌と人の死を悼む歌であること。それ以外の雑歌という歌があること。四千五百四十首あり天皇から庶民まで詠んだということ。など、大まかな概要について共有した後、それぞれ気になるところについて聴いてみることに。

歌に出てくる地名で話題になったのが豊橋から近い安礼(あれ)の崎(現在の三河臨海緑地の辺)と、伊良湖岬。住んでるところに近いというだけで親近感がわいてしまう。

いったいどこに今夜は泊まろうかというような旅の歌には自身の経験からも共感できるが、恋愛に関わる歌は何か引いてしまうという意見も。

月人壮士(つきひとおとこ)(=月の男)が出てくる歌があって、 月人壮士 って何だろうという話題でも盛り上がり、宇宙人なのか、彦星なのか、月例報告へ旅立つ人のことなのか、いろいろと想像したのでした。

琵琶湖に関わる歌で、海や川とは違った湖の神秘さについても話題に。ネッシーなんかも湖の話だし、湖には物思いにふけるような何かがあるのかもしれない。

好きな歌として次の一首も話題に。

東(ヒンガシ)の 野にかぎろひ(イ)の 立つ見えて かへ(エ)り見すれば 月かたぶきぬ

                          柿本人麻呂

解説では冬の荒野の東西の果てに日と月を見る雄大な歌として、紹介されていました。絵ではなく歌であるからこそ表現できる。何度聞いてもいい、かっこいい、素敵な歌です。

雪が降って喜ぶ歌と悲しむ歌があって不思議だったという意見がありました。相反するそれぞれの歌について背景にあったものを想像しました。

うないおとめ伝説という歌があり、二人の男に求婚され、堪えかねず命を絶ってしまった女性と、あとを追いかけて命を絶った二人の男の話。
このときの女性はどんな心境だったのか。どんな環境で育ってどんな背景があったのか。想像を掻き立てられるのでした。

貧窮問答歌という歌があり、前半が問い後半が答えとなっている。当時の人々の貧窮に耐える様子が想像できる歌であり、当時はどういう状況にあったのか、位や立場によってどう違ったのかを想像するのでした。
農家ではその年の気候によって凶作だったり豊作だったり波があって潤っていた時もあれば貧窮していた時もあったのではないだろうか。

当時も今も私たちの考えることや思い、感情は同じで変わっていないようにも思える。歌に出てくるイメージで、唯一当時と今とで変わったのは花ではないだろうか。
万葉時代、花と言えば梅でした。今は桜であり咲く時期も梅のほうが一~二か月ほど早く咲きます。

「令和」の出典元となった「梅花の宴」序文の一部です。

…時に、初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和らぐ。

「令月」とは「 何をするのにも良い」という意味があります。令和元年最初の読書会で万葉集を取り上げたこと、そして新しい出会いもありみなさんと集まって語り合えたことがとても楽しかったし嬉しく思います。

最後に、万葉時代の人々の力強い思いを受け継ぎ、読み人倶楽部をますます面白いものにしていこうと思うので、これからもよろしくお願いいたします。

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