第38回読書会『もものかんづめ』

今回の読書会は、今年8月15日に亡くなられたさくらももこさんのエッセイ集、1991年に発表し2001年に文庫化された『もものかんづめ』を課題本に取り上げました。

ちびまる子ちゃん世代の自分にとっては、ちびまる子ちゃんが亡くなったかのような感覚になり、とても悲しい思いでした。

才能あるまだ若い一人の女性が亡くなられたことに、残念でなりません。

もものかんづめは、ちびまる子ちゃんの大人バージョンみたいな感じで本当におもしろくて、笑える作品でした。

さくらももこさんは、きっとあらゆる日常をおもしろくとらえる才能があるんだと思います。

普通の人にとって、苦しかったことや無意味だったこと、それはただの嫌な思い出ですが、そんなこともおもしろくとらえて笑いに変えることができる。

それに加えて、自分のことをよくわかっていて客観的に見ることができ、その上自分の意思をしっかり持っていてやりたいことをやっている。

そんな人だったのではないでしょうか?

読書会では、共感できる所や、似たような出来事などで話は盛り上がり、以外に読書会向きの本だったように思えます。

個人的に一番共感したところは、「OLは大変である。サラリーマンも大変である。キチンとしなくてはならない仕事は、とにかく大変である。そういうのが得意な人はいいが、うっかりものにとっては大変である。面倒くさがるものにとっても大変である。うっかりして面倒くさがる者にとっては地獄である。」のところ、うっかりもので面倒くさがりの自分にとっては、ものすごく共感でます。

その他、「無意味な合宿」の話では、画一化された学校の問題を提起していたり、ただのお笑いエッセイではないところがまたすごいのです。

そして笑い続けて最後の「結婚することになった」の最終ページでは涙してしまいました。

巻末のお楽しみ対談で哲学者の土屋賢二さんがこのエッセイ集を絶賛しているように、自分の中ではあらゆる「本」のなかでもおもしろさで上位に入るであろう「本」であったと思います。

それと今回の読書会で、たった二人でも読書会が可能であることがわかりました。(^^)

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