第39回読書会『銀河鉄道の夜』
2018年11月18日、昼間はまだ暖かかった日の午後、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を題材に読書会を開催しました。
みなさんの話を聞いてみると、
ところどころ空白があり、よくわかっていないところがミステリアス感があっておもしろい。
死に対するあきらめが早すぎてあっさりしすぎている。
意味が分からない、もやもやする。
情景の表現が美しいが、想像するのが難しい。
よくわからないところが多いのだけれど、読み終わるとなぜかおもしろかったと思える。
などなど、覚えていないだけでまだまだたくさんありました。
その中でひとつ印象に残っているのは、主人公ジョバンニについて。
彼は少年であり、学校に通いながらもいろいろと事情があって決して良いとは言えない環境で働き、疲労し、友達ともうまくいかず孤独を感じています。
そして、死へと向かう銀河鉄道へ。
疲労と孤独がジョバンニを死へと向かわせていたのではないでしょうか?
その後、銀河鉄道という不思議な世界で誰かのためになるなら命すら引き換えにしてもいいという体験をし、現実の世界に戻ってくる…。
読書会後にもう一度深く考えてみました。
読書後、読書会のときもずっとこの本は、どこか自己犠牲を美徳としている本なんだと思っていました。
けれどこれはもしかすると、何もかも嫌になって自らの命を絶とうとする人へ、『その命をかけることができるならば、誰かのために何かできることがあるのではないのか?」というメッセージになっているのではないでしょうか。
死へのあきらめではなく、生きる希望を示しているのかもしれません。
読書会では、銀河鉄道の夜以外にも一緒に収録されている作品の話や、宮沢賢治本人の話なんかでも盛り上がり、楽しい時間を過ごすことができました。
参加していただいたみなさんありがとうございました。
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