将棋×人生を語る読書会『聖の青春』
藤井聡太棋士が数々の最年少記録を更新し盛り上がる将棋の世界。
今回は木のぬくもり感じるミナクルにて、将棋道を貫き、惜しまれつつ早逝した青年村山聖の生涯の物語「聖の青春」を課題本に8人で読書会を開催しました。
大まかな感想は以下の通り。
- この本のジャンルは何?と思った。ノンフィクションだが、小説のようでもあり、伝記に近い。
- 映画も観て、セリフを言う人物が違っていたり小説と映画の違いが気になった。
- 将棋にAIは追いつけないと言っていた村山聖がいま生きていたらおもしろかった。
- 笑も涙もあり小説のように読みやすかった。読後感が重くなくてよかった。
- 今一線で戦っている人たちの当時の様子や、今につながっている将棋の歴史を知れた。
- 映画を観て、俳優の役作りのすごさを感じた。
- 病気になっていなかったら、もっとすごい名人に慣れていたかもしれないと思う反面、ここまでの人になっていたのか?
- 命の期限を意識して生きるのはしんどいと思うが、実際どうなのか?
- 将棋が好きで村山聖さんが亡くなったことは知っていたが、詳しく知ったのは読んでから。
- 大人の都合で村山聖が奨励会に入れなかった話には怒りを覚えた。
- 村山の師匠である森は麻雀ばかりで大丈夫かと思った。
- 村山は少女漫画が好きだったり、一度でいいから女を抱いてみたいといった発言に、女性に対するあこがれがあったと感じた。
- 自責の念であったり、息子に対する接し方であったり家族の苦労を感じた。
- 村山は自分の好きなことに没頭できた人生だったのではないか。
- 村山は近くに住む人の協力があったり、時代の違いを感じた。
- 将棋は今まで指したことがなく、子供のころは山崩しに集中力を使っていた。
さらに深めていきました。
- 将棋がメインだけど、教育のことや病気のこと、仕事に対す姿勢だったり引き出しの多い話で、将棋の枠を外してみてもおもしろい。
- 長期入院の子供にゲームを与えている親が多く、そのことで罪悪感を抱えている親も。思うがままにさせている社会はどうなのか。
- 村山聖に与えられていたのがゲームだったらどうなっていたのか?
- 将棋とゲームは同じ側面がある。
- 違う職業への転換が難しくなるため、将棋にはプロとしての年齢制限がある。
- ノンフィクションは成立するのか?フィクションを超えたメタフィクション?
- 途中から著者自身を登場させるとうのが異色。
- 師匠の役目、どうしても指さなければいけない一局。
- 村山は羽生さんだけは尊敬していた。
- 誰も気づかないすぐれた一手を見つけるのが将棋の面白いところ。
- 将棋を知っていればもっとこの本のおもしろさがわかる。
- 同じ心の風景を見ているとか、違う海を見ているといった表現が印象的。
などなど、いつも通り時間いっぱいまで話は尽きないのでした。
これは、「名人への翼」という生きるための手段を手に入れ、せまりくる死と向き合いながらも最後まで羽ばたき続けた村山聖の物語。
人生に本音で向き合い、命を懸けて真剣に生きた村山聖は、みんなに愛されていました。
人生の一手一手を時に最良でなくても精一杯指してきたのではないでしょうか。
最後には名人になってほしいと思いながら読み進めましたが、読了後は名人になることよりも目指したことに意味があったのだと思いました。
将棋のおもしろさは、刻一刻と変わる状況において、一手一手を選択し、時には誰もが気づかないような最高の一手を見つけるところにあるのだと思います。
あなたの人生にも気づいていない最高の一手があるのかもしれない。
久しぶりにやってみた3手詰めが解けない。回答を見ると、周りの駒をちゃんと見れていないことに気づかされる。将棋は様々なことを教えてくれるのである。
3月のライオンもおもしろいよ。
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